トトロ木
その場に行ってみるとそこは犬嶋大明神という神社。祭神は、大己貴命・火須勢理・少彦名命・天照御神・月読尊といろいろ出ている。ウィキペディアを調べてみる。さしずめ、大地の神、炎の神、知の神、太陽の神、月の神、といったところだろうか。上野原町誌を見てみると困ったことに書物で違うようだ。共通しているのは大己貴命・少彦名命で、この二人は大地の神とそのブレーンということなので、どこに暮らそうと住まわさせてもらえていることへの感謝すべき神様だろう。かつてこのあたりには遺跡が発見された。そういったところにある神社である。神様(自然)への感謝はあったことだろう。しかし、今その場所へ行ってみても遺跡らしきものは何もない。こういったものは、しっかりと保存してもらいたいものだ。
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次に樹齢を測定を試みる。木に穴を開けたりというのは素人の私にはできない。都合の良いことに、トトロ木の根元は道に向かって横に伸びていたところがあったらしく、切られており、年輪があらわになっている。この横伸びの年輪の数を数えたら185本あった。半径は34cm。木の円周を測ると、4m18cmなので、半径は約66.6cmになる。木の皮の厚さを浮き上がりも含め5cmとすると、年輪の数は、346本となり、樹齢も同じということになる。この数字は妥当なのだろうか。ちょっと大きすぎるように感じられる。346年で18mの高さは低い様にも感じられる。なんでもそうだが、そこそこ成長するとスピードは鈍化する。つまりほとんど成長していなくても年数は重ねていることになる。日当たりや土壌の栄養もあるだろう。あれこれ考えられることはあるのだが、結局、トトロ木の樹齢を素人が測ろうというのは難しいのだろうか。 | ![]() |
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そこでこの神社がいつできたかということを見てみる。石灯篭についている年号は、安永九年とか、延享二年とかある。これが、創建年ということはないだろうが、少なくともこれ以前ということになる。それぞれ1780年と1745年になる。古い方をとってみよう。2008年からさか上ると、263年前である。年輪からの推定340年よりは石灯篭からの推定263年の方が妥当な気がする。元々木が生えていたところに神社を作り、周りの木は切られても神社だけは切られないのであって、神社ができてから杉を植えたということではないと思う。木の成長などを考慮すると300年前後といったところだろうか。
トトロ木は2本あるが、片方だけを測定してみた。もう片方がどのくらいかはわからないが、見掛けが同じ高さなので、とりあえず同じとしておけばいい。
駅からトトロの耳ように見える樹齢300年近い2本の木は甲州街道郡内の名物だと思う。